住みながら家を売る|内見の準備と片付け、生活を続けるための進め方

この記事の要点
住みながら売る家の内見準備を、生活を止めずに進める順序で整理します。
- 住みながらでも家の売却は進められる
- 内見前は生活感を全部消すより動線を整える
- 内見予約と日常生活の予定を合わせる

住みながらでも家の売却は進められる
この記事は2026年10月時点の制度にもとづく、一般的な説明です。制度は改正されることがあります。
住み替えを考えている方の中には、「引っ越しが終わってから売り出すものでしょうか」と迷う方がいます。住みながら売り出す進め方もあります。生活の場をそのまま見てもらえる一方で、内見のたびに家を整える手間がかかります。この記事では、その手間を日々の暮らしに無理なく組み込む順序を考えます。
最初に、販売期間の見通しを持っておくと、準備の計画が立てやすくなります。専任媒介契約の有効期間は、3か月を超えない範囲で、売主と不動産会社が協議して定めるとされています。住みながら売る場合も、販売期間の目安はこの範囲で組み立てます。内見対応が続く期間に区切りがあると分かれば、気持ちの負担も軽くなります。なお、媒介契約には専任媒介以外の種類もあり、期間や報告の頻度の定めが異なることがあります。契約前に、媒介契約書の種類と有効期間の欄を見て、いつまでの、どの種類の契約なのかを確認してください。
内見前は生活感を全部消すより動線を整える
「モデルルームのように何もない状態にしなければ」と考えると、住みながらの売却は続けにくくなります。生活感をすべて消すことよりも、見に来た方が迷わず歩けて、部屋の広さや配置を見やすいことを優先してみてください。
整える場所は、見学の順路に沿って考えると進めやすくなります。玄関から入り、廊下、居間、水回り、各部屋と、実際に歩いてみてください。通り道に荷物があれば、そこから優先して動かします。
- 玄関:靴は出しっぱなしにせず、見学の方が立てる場所をあける
- 廊下・階段:床に置いた荷物や、通りを狭くしているものを片側へ寄せる
- 水回り:水あかや排水口のぬめりを落とし、タオルやスポンジを新しいものに替える
- 窓まわり:カーテンを開けて、光の入り方が見えるようにする。桜島の降灰があったあとは、窓枠やサッシ、ベランダに積もった灰を掃除しておく
- 駐車場・アプローチ:坂道や狭い道を通って来る家では、車を停める場所や、玄関までの歩き方が分かるようにしておく。停めやすさは、見学の方が下見に来たときの印象にもつながります
内見予約と日常生活の予定を合わせる
住みながら売るときに大きな負担になるのは、片付けよりも、内見の予約と日々の予定が重なることです。仕事、通学、通院、家族の在宅時間などを、先に家族で共有しておきましょう。そのうえで、内見に対応できる曜日や時間帯、対応が難しい日を担当の宅建業者に伝えておくと、無理のない調整がしやすくなります。
内見のとき、売主が在宅するか、不在にするかも決めておくと迷いません。在宅すれば、暮らしの様子を直接伝えられます。ただ、見学の方が気兼ねして見にくいこともあります。不在にする場合は、鍵をどう預けて誰が案内するのかを、先に担当者と確認してください。どちらの場合も、通帳や印鑑、現金、郵便物などは、見える場所に置かないようにします。立ち会い方や鍵の管理の方法は、担当者によって進め方が異なることがあるため、具体的な段取りは契約のときに質問しておくと安心です。
ペットがいる家庭や、小さなお子さんがいる家庭では、内見のときの過ごし方も決めておくと安心です。洗濯物や食事の片付けなど、直前にやることを簡単なメモにしておくと慌てません。
販売の状況は、報告で確かめられます。専任媒介契約を結んだ宅建業者は、2週間に1回以上、売主へ業務の処理状況を報告する義務があるとされています。内見の状況や反響は、この報告で把握できます。報告を受けたら、内見がなかった期間が続いていないか、見学の方の感想は何かを読み取り、準備や予定を見直す材料にしてください。報告の連絡手段(電話、メールなど)は、契約のときに担当者へ質問しておくと、あとで困りません。専任媒介以外の契約では、報告の頻度の定めが異なることがあるため、契約書で確かめてください。
見せたい場所と私物を分けて準備する
内見の準備は、家の中のものを三つに分けると進めやすくなります。見せたい場所、日用品として置いておくもの、見せたくない私物です。
見せたくない私物は、内見のたびに隠すのではなく、あらかじめ置き場所を決めておくと負担が減ります。クローゼットや収納の中は、見学の方に開けられることもあります。見られても困らない程度に整えておきましょう。
- 見せたい場所を決める:居間、水回り、収納、庭やベランダなど、見てもらいたい場所を書き出す
- 日用品をまとめる:毎日使うものは、かごや箱に入れて、すぐ片付けられるようにする
- 貴重品と書類を別にする:通帳、印鑑、郵便物、個人情報の載った書類は、内見のときに見えない場所へ置く
- 使わないものを先に減らす:季節外の衣類や使っていない家具など、暮らしに影響が少ないものから順に整理する

実際に住んでいるから分かる情報を整理する
住んでいる売主にしか分からない情報があります。日当たりや風通し、音の聞こえ方、収納の使い勝手、設備の調子、これまでに直した箇所などです。ただし、これらは売主自身の生活の記録であり、地域全体の住環境として一般化できるものではありません。感じたことと、確認できた事実は分けて書いておきましょう。
なかでも、設備の不具合や雨漏りなど、知っている傷みや、これまでの修繕の記録は、メモにとどめず、担当の宅建業者に正確に伝えてください。見学の方や買主に関わる大切な情報です。内見のときに口頭でどう説明するか、書面で申告する場合はどのような形にするかは、担当者に確認しておきましょう。
メモは三つに分けておくと、あとで混乱しません。売主が整理するメモ(暮らしの感想や気づき)、宅建業者に共有する資料(設備の状況や修繕の記録など)、公的窓口で確認する事項(税金など)です。法令上の申請や義務と、売主のメモは別のものです。メモを作ったから手続きが済んだわけではありません。
税金は、公的窓口で確認する事項の代表例です。マイホームを売ると、所有期間の長短に関係なく、譲渡所得から控除できる特例があり、控除額には上限3,000万円という定めがあります。条件によって変わる場合があり、適用には確定申告が必要です。要件の一つは、現に住んでいる家を売ることです。すでに転居した家でも、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば、適用を受けられるとされています。ほかにも条件があります。
住み替えで、特定のマイホームを令和9年12月31日までに売って買い換える場合には、一定の要件のもとで、譲渡益への課税を将来に繰り延べる特例もあります。売った家について、居住期間10年以上などの要件があります。この買換えの特例と、先ほどの3,000万円の控除との関係(併用できるのか、どちらを選ぶのか)は、事情によって変わります。税務署の窓口や、税理士に、売却前に質問しておくと安心です。聞くときは、「いつまでに売る必要があるのか」「確定申告に必要な書類は何か」「二つの特例はどう関係するのか」の三点をメモしていくと、話が早く進みます。根拠となる制度の資料は、ページの「参考にした公的情報」の欄でも確認してください。
売却と購入のどちらを先に進めるかといった住み替えの順序も、資金計画に関わります。担当の宅建業者と、必要に応じて専門家に相談しながら考えてみてください。
まとめ
住みながらの売却は、暮らしと内見の両方を続ける工夫が要ります。見学の順路に沿って動線を整え、予約の曜日や時間帯、在宅か不在かを家族と宅建業者で共有しておくと、生活に無理がかかりにくくなります。専任媒介契約を結ぶ場合は、有効期間が3か月を超えない範囲で決まること、2週間に1回以上の報告で内見の状況を把握できることも、計画の目安になります。他の種類の媒介契約では定めが異なることがあるので、契約前に確かめてください。
また、私物の置き場所を決めておくこと、知っている不具合や修繕歴を担当者に正確に伝えることは、内見前後の安心につながります。税金のように条件が多い事柄は、税務署や税理士などの専門家に先に確認しておくと安心です。
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参考にした公的情報
2026年10月6日時点で確認した情報です。
- 宅地建物取引業法施行規則第十五条の七第四号の規定に基づく標準媒介契約約款
- https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/016/74000466/74000466.html
- No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁
- No.3314 過去に居住していたマイホームを売ったとき|国税庁
- No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例|国税庁
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編集方針:公的機関の一次情報を確認し、生成AIを補助的に使用して構成・校正しています。制度や個別の判断は、掲載した原典や関係窓口・専門家等でもご確認ください。
この記事は、公的機関の情報などをもとにまとめた一般的な内容です。税金や法律の取り扱いは、個々のご事情や時期によって異なり、制度は変わることがあります。実際に手続きを進める際は、税務署・法務局・市役所などの窓口や、税理士・司法書士・弁護士などの専門家にご確認ください。
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