相続放棄を考えている実家|売却・片付け・管理の前に確認したい期限と注意点
この記事の要点
放棄の期限と、売却・片付け・管理の前に確認したいことを整理します。
- 相続放棄の前に確認する名義・相続関係
- 家庭裁判所への申述と期限の考え方
- 売却や財産処分を先に進めるリスク

相続放棄の前に確認する名義・相続関係
この記事は2026年10月時点の制度にもとづく、一般的な説明です。制度は改正されることがあります。実家を相続するかどうか迷い、相続放棄を考え始めると、「期限はいつまでか」「売っていいのか」「放っておいて問題ないのか」と疑問が重なります。この記事では、期限、財産の処分に関する民法の定め、放棄後の管理を別々の問いとして整理し、動く前に誰へ何を聞くかをまとめます。個別の結論は示しません。
最初の作業は、実家の名義と相続関係の整理です。これは売主ご自身が行う相談メモづくりで、法令上の申請ではありません。メモがあれば、弁護士や家庭裁判所に質問するときも、不動産会社に事情を伝えるときも、事実関係を短く正確に説明できます。
- 実家の名義人(亡くなった方のままか、別の方に変わっているか、共有か)
- 亡くなった日と、亡くなったことや自分が相続人になったことを知った日
- 被相続人(亡くなった方)の最後の住所地
- 実家でこれまでに行った片付けや支払いなどの行為と、その日付
家庭裁判所への申述と期限の考え方
相続放棄の申述には期限があります。家庭裁判所の案内では、申述は民法により、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないと定められているとされています。起点とされているのは「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」です。実際にどの日を起点として整理するかは、事情を伝えたうえで家庭裁判所や弁護士に確認します。
民法921条2号は、相続人が915条1項の期間内に限定承認または相続の放棄をしなかったときも、単純承認をしたものとみなすと定めています。期間の意味を知っておくための条文です。すでに期間が過ぎたかもしれないと感じた場合も、自己判断で結論を出さず、事情を弁護士や家庭裁判所に伝えて確認してください。
3か月以内に相続財産の状況を調べても、承認するか放棄するかを判断する資料が得られない場合は、申立てにより家庭裁判所が期間を伸ばすことができるとされています。伸長が認められるかどうかや申立ての方法は、家庭裁判所にご確認ください。
申述の手続は、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所が取り扱います。実家の所在地と最後の住所地が同じとは限りません。「相続放棄の前に確認する名義・相続関係」でつくるメモに最後の住所地を書いておくと、問い合わせ先を探しやすくなります。
- 期限の起点として、どの日を基準に整理すればよいか
- 判断の資料が足りないとき、期間の伸長はどのように申し立てるか
- 申述を取り扱う家庭裁判所はどこか
売却や財産処分を先に進めるリスク
民法921条1号は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなすと定めています。単純承認とは、相続を承認することです。
2015年(平成27年)に作成された名古屋家庭裁判所のQ&Aには、遺産の一部を処分したときは相続を承認したものとみなされることになり、相続放棄は認められないという説明があります。一つの裁判所の案内ですので、個別の行為への当てはめは、弁護士や管轄の家庭裁判所に確認する必要があります。
不動産の売却は、財産を手放す行為です。放棄を検討している段階で売買契約を結ぶ前には、その行為が「処分」の定めに関係するかどうかを、弁護士に確認してください。検討の順序としては、放棄を選ぶのか、相続を承認して売却を考えるのかを先に決め、そのあとで売却を進める形になります。
一方、同条1号には、保存行為と、602条に定める期間を超えない賃貸は除くという但し書きがあります。ただし、実家で行いたい具体的な行為が保存行為に当たるかどうかは、条文の言葉だけでは判断しにくく、この記事では当てはめません。

放棄後の管理と、片付け・費用の支払いなど個別行為の相談
放棄を考える方が次に気にするのは、放棄したあとも実家の管理の問題が残るのかという点です。管理に関する義務があるのか、あるとすればどの範囲で、いつまで続くのかは、民法の条文や家庭裁判所の案内を個別に読み解く必要があります。この記事では結論を示しません。弁護士や家庭裁判所にご確認ください。
片付けや費用の支払いについても同じです。「売却や財産処分を先に進めるリスク」で見たとおり、処分にあたる行為は放棄に影響する一方、保存行為は除かれています。ただし、実家の片付けのどこまでが保存行為なのか、費用の支払いが処分に当たるのかは、この記事では判断しません。行う前に、次の順序で確認します。
- 触れる前の実家の様子を、写真と日付つきのメモで記録する
- 行いたい行為を一つずつ書き出す(内容、行う人、行う時期、理由)
- 行為ごとに、処分に当たるのか保存行為に当たるのかを弁護士や家庭裁判所に質問する
- 回答の内容を記録し、確認がとれた行為から進める

不動産会社と法律専門家への相談を分ける
相談先は、聞きたい内容で分けると整理しやすくなります。法律上の判断が必要な質問と、売却の実務に関する質問を混ぜないことが大切です。
- 弁護士・家庭裁判所:申述の手続と期限、期間の伸長、ある行為が処分や保存行為に当たるか、放棄後の管理の扱い
- 不動産会社:相続を承認して売却を選ぶ場合の査定や売却の進め方、物件資料の整理
- ご家族:誰が相続人か、放棄や相続についての意向
まとめ
相続放棄の申述には、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内という期限があります。相続財産を処分したときは相続を承認したものとみなされる定めがあるため、売却や片付けなどの行為は、先に進める前の確認が重要です。放棄後の管理の扱いも、この記事では結論を示していません。
相続放棄を考えている実家については、まず被相続人の最後の住所地の家庭裁判所や、弁護士などの専門家に、期限の起点、期間の伸長の申立て、予定している片付けや売却がどう扱われるか、放棄後の管理の扱いを確認してください。相談の際は、名義と相続関係のメモ、亡くなったことや相続人になったことを知った日、すでに行った行為の記録を用意すると話が進みます。そのうえで相続を承認して売却を考える場合は、鹿児島市内の不動産の売却に特化し、無料で査定の相談を受け付けている睦和商事に、ご相談はお気軽にどうぞ。相続・離婚・空き家・共有名義などのご事情に応じた相談を受け付けています。
参考にした公的情報
2026年10月23日時点で確認した情報です。
- 相続の放棄の申述 | 裁判所
- 相続放棄ガイダンス | 水戸地方裁判所/水戸家庭裁判所/茨城県内の簡易裁判所
- e-Gov法令検索:民法
- https://www.courts.go.jp/nagoya-f/vc-files/nagoya-f/file/syouteim-s02qa.H271116.pdf
あわせて読みたい記事
- 県外から鹿児島市の実家を売る|遠方の相続不動産の進め方と準備
- 相続した家を売る前に確認したい「名義・遺産分割・税金」
- 鹿児島市で事故物件を売る前に|告知はいつまで?売買と賃貸の違い
- 媒介契約書案で仲介業務の依頼範囲を確かめる質問メモの作り方
編集方針:公的機関の一次情報を確認し、生成AIを補助的に使用して構成・校正しています。制度や個別の判断は、掲載した原典や関係窓口・専門家等でもご確認ください。
この記事は、公的機関の情報などをもとにまとめた一般的な内容です。税金や法律の取り扱いは、個々のご事情や時期によって異なり、制度は変わることがあります。実際に手続きを進める際は、税務署・法務局・市役所などの窓口や、税理士・司法書士・弁護士などの専門家にご確認ください。
鹿児島市の不動産のご相談は、無料査定からどうぞ。
無料で査定・ご相談する