賃貸中の家を売るときの注意点|オーナーチェンジで確認したい契約と引継ぎの順序

この記事の要点
賃貸中の家を売るときに、賃貸借契約の確認から引継ぎの整理まで、進める順序をまとめました。
- 売却の検討は、賃貸借契約書の内容を確認するところから始める
- 入居者との契約は、一般的に新しい家主へ引き継がれる前提で条件を整理する
- 敷金や家賃の精算、管理会社との契約は、売買契約の前に扱いを決めておく
入居者が住んでいる家を売る方法は、家主(貸主)が替わることから「オーナーチェンジ」と呼ばれています。空き家を売る場合と違い、売却の手続きと並行して、今住んでいる方との賃貸借契約をどう引き継ぐかを整理する必要があります。買う側にとっては、入居者がいる状態そのものが購入の条件になります。そのため、売る側が契約の内容を正確に伝えているかどうかが、話し合いを進める土台になります。この記事では、細かな法律の判断に入る前に、売主がどの順序で何を確認すればよいかを整理します。契約の引継ぎに関する個別の判断は事情によって異なるため、迷う点は弁護士や司法書士などの専門家、不動産会社に確認しながら進めてください。

まず賃貸借契約書で確認したいこと
最初に手元へ出してほしいのが、今の入居者との賃貸借契約書です。売却の相談を始める前に、次の点を読み返しておくと、その後の話が進めやすくなります。
- 契約の種類が、更新のある普通の契約か、期間が決まっている定期の契約か
- 契約期間と、更新に関する取り決めがどう書かれているか
- 家賃や共益費、敷金について、契約書にどう記載されているか
- 修繕の負担や、退去時の原状回復について、特約が付いていないか
- 連帯保証や家賃保証会社に関する記載があるか
国土交通省が示している賃貸住宅標準契約書は、賃貸借契約の標準的な形を示した雛形です。たとえば借主からの解約については、少なくとも30日前に申し入れる形が示されています(出典:国土交通省「賃貸住宅標準契約書」)。ただし、実際に結んでいる契約がこの雛形どおりとは限りません。大切なのは、雛形と比べることではなく、自分が結んだ契約書に何と書かれているかを読むことです。契約書が見当たらない場合は、管理会社に写しがないか尋ねてみましょう。サブリース(一括借り上げ)の形で貸している場合は、入居者との契約のほかに、事業者との間の契約も関わってきます。国土交通省の賃貸住宅管理業法ポータルサイトでは、サブリースに関する契約内容の説明や書面交付のルールが案内されていますので、該当する方はあわせて目を通しておくと整理しやすくなります。

入居者との関係と、売却の進め方
賃貸中の家を売る場合、入居者との賃貸借契約は、一般的に新しい家主が引き継ぐ前提で話が進みます。家主が替わったからといって、入居者にすぐ退去してもらうという話にはなりません。民法や借地借家法には賃貸借に関する決まりがあり、契約の引継ぎや更新、解約の扱いは、契約の種類や内容によって異なります。この記事では個別のケースの判断までは踏み込まず、一般的な流れの紹介にとどめます。具体的な扱いは、契約書を持参して専門家や不動産会社に確認してください。
売却活動の進め方にも、空き家とは違う配慮が要ります。室内の写真撮影や、購入を検討する方の内覧は、入居者の暮らしに関わることです。勝手に進めず、管理会社を通じて入居者に相談し、了承を得てから日程を組むのが一般的な進め方です。「よくあるご相談の例」として、売却を切り出すタイミングに悩む家主の方は少なくありません。まずは管理会社に「売却を考えている」と伝え、入居者への伝え方や段取りを一緒に考えるところから始めると、話がこじれにくくなります。査定を受ける段階でも同じです。睦和商事では、最初のご相談と、机上での査定、現地を確認しての査定は無料で対応しています。なお、売却が決まった場合の仲介手数料や、専門家への報酬などは別途かかります。賃貸中の物件では、現地確認の方法も管理会社と相談しながら決めていきます。
敷金・家賃・管理契約の引継ぎを整理する
売買の話が具体的になってきたら、お金と契約の引継ぎを一つずつ整理します。後回しにすると、売買契約の直前で食い違いが出やすくなります。
- 敷金:入居者から預かっている敷金は、退去時の精算に関わるお金です。新しい家主へどう引き継ぐかを、売買契約の条件として取り決めておきます
- 家賃:売買の前後で家賃の受け取り手が替わります。引き渡しの日を境に、誰がどの分を受け取るのかを書面で確認しておきます
- 管理会社との契約:管理を任せている場合は、その契約を新しい家主が引き継ぐのか、売却に合わせて終了するのかを、管理会社と早めに相談します
- 設備や修繕の記録:給湯器の交換や雨漏りの補修など、これまでに行った修繕の記録は、買主へ伝える大切な情報になります
これらの引継ぎは、売買契約書や付属の書面にどう書くかで扱いが決まっていきます。文面の意味に迷う点があれば、その場で不動産会社に質問し、法律上の判断が必要な点は弁護士などの専門家に確認してください。火災保険など売主個人で結んでいる契約は、賃貸借契約の引継ぎとは別に、解約や変更の手続きが必要になることがあります。契約先へ問い合わせて確認しておきましょう。

よくある質問
Q. 入居者に退去してもらってから売るほうがよいですか。
A. どちらがよいかは、契約の種類や期間、買う側の希望によって異なります。貸主側からの解約や更新の扱いには法律上の決まりが関わるため、退去を前提に進める前に、契約書を確認したうえで専門家や不動産会社へ相談してください。賃貸中のまま売る方法と、空き家にしてから売る方法の両方を比べて考えるのがおすすめです。
Q. 査定だけでも相談できますか。
A. できます。賃貸中の物件では、契約書の内容や家賃の状況をもとに査定を進めます。睦和商事では、最初のご相談と、机上での査定、現地を確認しての査定は無料で対応しています。売却が決まった場合の仲介手数料や、専門家への報酬などは別途かかります。
Q. 入居者に売却のことをいつ伝えますか。
A. 決まった時期があるわけではありませんが、内覧や写真撮影で入居者の協力が必要になる前に、管理会社を通じて伝えるのが一般的な進め方です。伝え方に迷う場合は、先に管理会社や不動産会社へ相談し、段取りを決めてから連絡しましょう。
まとめ
賃貸中の家を売るときは、賃貸借契約書の確認、管理会社への相談、買主へ伝える条件の整理、引継ぎ書類の準備という順序で進めると、全体が見通しやすくなります。入居者との契約は新しい家主へ引き継がれる前提で考え、敷金や家賃、管理契約の扱いは売買契約の前に決めておきましょう。法律に関わる判断は一般的な流れの確認にとどめ、個別の事情は専門家へ相談してください。
睦和商事は鹿児島市で、賃貸中の物件や空き家、相続した家のご相談を受け付けています。「貸している家を売れるのか分からない」という段階でも大丈夫です。まず契約書を手元に用意して、現状の確認から始めてみてください。
参考にした公的情報
2026年10月30日時点で確認した情報です。
編集方針
公的機関の一次情報を確認して作成しています。制度や個別の判断は、掲載した原典や関係窓口・専門家等でもご確認ください。
この記事は、公的機関の情報などをもとにまとめた一般的な内容です。税金や法律の取り扱いは、個々のご事情や時期によって異なり、制度は変わることがあります。実際に手続きを進める際は、税務署・法務局・市役所などの窓口や、税理士・司法書士・弁護士などの専門家にご確認ください。